【FIRE後の住宅をどうするか】UR賃貸の賃料推移の実績

FIRE後の住宅

このサイトに来られる方は、現在、会社員、公務員あるいは自営業で、FIREを目指されている方が多いのではないかと思います。また、良く知られている通りで、会社を退職するにあたり、退職後に賃貸契約を結びにくいと言われており、UR賃貸は条件次第では有力な選択肢になるのではないかと思います。

私も2023年秋に会社を退職し、早期退職者 = FIREとなりました。持ち家は保有しておらず、次の住宅探しは、購入はじっくりと時間をかけて探しつつ、当面は賃貸を探そうと考え、UR賃貸を選びました。

過去の早期退職者にとってのUR賃貸のメリット・民間との比較・UR申し込みに関する記事を以下でまとめておりますので、よろしければこちらもご参考下さい。

一般にUR賃貸は賃料が民間と比べて安いと言われることがあるのですが、公式では、礼金ナシ、仲介手数料ナシ、更新手数料ナシ、保証人ナシ、と言われているだけです。賃料が安い、という記載は見当たりません。

UR賃貸住宅より抜粋

むしろ、以下のように割高であるかのような記載も見受けられます。なお、面積が広ければ家賃が高めに設定されるのは当然のことであるので、特別に何かを主張しているわけでもない、とも捉えることができます。

部屋の面積が家賃に反映されるため、同じ部屋数の民間の賃貸住宅に比べると、面積が広い分、家賃は高めに設定される傾向が。

SUMO 民間と比べてどうなの? UR賃貸住宅のメリット・デメリットより抜粋

以下のサイトも、踏み込んで記載しているように見えて、場所が変われば相場観が変わる、ということを丁寧に解説してあるだけのようにも見えます。

他いくつかのサイトを確認したのですが、どのサイトも記載があいまいで、横並びに比較したうえで、割安か割高かを判断できるようなサイトは、Google検索上位には出てまいりませんでした。

この理由としては、条件を揃えてフェアに比較するということが、非常に難しいため大手サイトは責任を持って述べることが難しいのだと思われます。

そのため、ここでは北海道札幌市のUR賃貸に限り、昨年度と今年度の家賃の推移を整理して、家賃の伸び率を比較することといたしました。

結論としては、以下であることが分かっております。

  • 札幌市内のUR賃貸20件中、上昇したのは6件のみ、他は家賃据え置き
  • 総じてUR賃貸の上昇率は約0.5%程度と考えられ、札幌市の一般の家賃上昇率=2.75%より低い

なお、家賃の推移ではなく、横並びでの割安・割高の私なりの評価は以下をご覧いただければと思います。その際の結論は、UR賃貸が民間賃貸と比べ一方的に賃料が安いということは言えない、というものでした。

ただし、こちらは毎月の賃料の比較であり、上述の契約にかかる一時金ではUR賃貸に多くのケースでメリットが出るだろうとは考えております。

今回の記事では、

  • 札幌市の民間賃貸の賃料の動向
  • 札幌市UR賃貸の賃料の動向
  • 民間賃貸とUR賃貸の比較
  • まとめ

の順番で、スタディを開始したいと思います。

札幌市の民間賃貸の賃料の動向

LIFUL home’sの情報によると、札幌市の賃貸はここ3年間で7.71%, 直近1年間では2.75%の上昇率となっております。月額10万円前後の家賃が多く、金額としては小さくはない伸び幅です。

LIFUL home’sより抜粋

以降は、札幌市中央区の上昇率を札幌市の上昇率とみなして議論を進めてまいります。

札幌市UR賃貸の賃料の動向

上記の通り、札幌市UR賃貸全20物件中、6物件のみが2023/4~2024/4の一年間で賃料が上昇しております。また、そのうち5物件は1%程度の賃料の上昇にとどまりました。残りの14物件は賃料は据え置かれました。

なお、今回比較で用いた物件は3DKファミリー層向けのみとしました。また、2023/4と2024/4の家賃を比較しました。

狸小路

大通公園、中央区役所、狸小路商店街、地下鉄11丁目駅全て徒歩圏で非常に好立地です。

3DKタイプでは、2023/4時点では72,600から81,000円であったものが、2024/4時点で73,300から81,800円となっております。

約0.96%の賃料値上げです。

新木の花

UR賃貸にしては珍しく、比較的築浅の物件で、地下鉄中の島駅徒歩10分です。

3DKタイプでは、2023/4時点では77,100から80,600円であったものが、2024/4時点で78,600から82,100円となっております。

約1.9%の賃料値上げです。

琴似第一

JR琴似駅と地下鉄東西線の使える好立地です。

2023/4時点では46,600から51,100円であったものが、2024/4時点で47,000から51,500円となっております。

約0.86%の賃料値上げです。

琴似第二

地下鉄東西線徒歩4分また区役所の建物の上階のため、区役所徒歩0分です

2023/4時点では46,800から48,200円であったものが、2024/4時点で47,200から48,600円となっております。

約0.85%の賃料値上げです。

北10条

地下鉄東豊線徒歩5分の立地です

2023/4時点では51,800から60,100円であったものが、2024/4時点で52,300から60,700円となっております。

約0.97%の賃料値上げです。

北11条

地下鉄東豊線徒歩1分の立地です

2023/4時点では62,700から68,300円であったものが、2024/4時点で63,300から68,900円となっております。

約0.96%の賃料値上げです。

民間賃貸とUR賃貸の比較

上述の通り、20物件中14物件は賃料が据え置かれております。また、上昇した6物件も1件を除いて約1%のみの上昇となります。

民間と比べて、今のところはかなり有利であると言っても良い数値かとは思います

参考までに、UR賃貸の家賃算定の考え方のリンクがございましたので共有します。はっきりとは読み取りにくいものの、近隣の同クラスの物件の不動産市場価格を基準にしていると記載されております。

まとめと考察

上述の比較の通り、民間賃貸の上昇分は、2023年から2024年の1年間で、2.75%となっている一方、UR賃貸の上昇分は、上昇した5物件は約1%、1件は約1.9%となっております。全20物件を鈞した場合は0.5%以下として捉えても良いかと考えます。

1年間で、民間賃貸の賃料の上昇は2.75%、UR賃貸の上昇分は、概ね0.5%以下

UR賃貸にとってこの一年だけが特殊であったとは考えにくいため、おそらくはこの傾向は今後も続くとみて差し支えないでしょう。その場合、十分な年数が経過した場合には、札幌市の平均の賃料とURの賃料には相当に乖離が出てくると思われます。

この部分の考察ですが、札幌市の平均の賃料の上昇率は全賃貸物件の上昇幅の平均値であるのに対して、UR賃貸の上昇率はその物件の近隣同クラスの民間賃貸物件を基準とした物件に沿って上昇していくため、この乖離が発生しているものと推定します。この推定が正しければ、10年後は

  • 民間賃貸 : 31.1%上昇 (=102.75%^10)
  • UR賃貸 : 5.1%上昇 (=100.5%^10)

という大きな乖離になり、この乖離は埋まらないはずです。

 

冒頭の通り、会社を退職後、社会的な信用を失った場合でも利用可能な賃貸として、UR賃貸はFIREを目指す方には十分候補になり得るだろうと考えられます。

 

今回も、最後までご覧いただきまして、ありがとうございます。

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