UR賃貸の申し込みから入居までを大公開

FIRE後の住宅

先日、UR賃貸と民間賃貸の比較について以下のブログを作成しました。

その中で、UR賃貸は民間賃貸とは異なり、申し込みから入居まで比較的煩雑な手間を要することをお伝えしました。具体的には、メールやネットでの申し込み、契約などは一切不可、などなどです。これはいいかえると、UR賃貸はが高い、という競争力の表れかもしれません。あるいは、都市再生機構と呼ばれる独立行政法人が管理する公的な団体であるため、ネットやITに弱いとされる高齢者にも機会を平等にする必要があるため、あえて電話・対面のみの応対にしているのかもしれません。

どちらにせよ、早期退職を考えている方が、数か月先に退職して、民間賃貸あるいはUR賃貸に住むことを考える場合、比較検討には時間をかける必要はありますが、実際の申し込みから契約までは一気に突き進む必要があるだろうと思います。というのも賃貸であれ購入であれ、物件は早い者勝ちであるためです。特にこれからFIREしようという方は、現役時代とは異なり、時間の制約は少なくなるでしょうが、家賃などの金銭面での負担は非常に大きくなるはずだからです。

ここでは、その複雑なUR賃貸のやり取りを時系列でまとめ、それぞれの工程でどのくらいの日数が必要なのかを明確にしたいと思っております。早期退職をご検討中の方は、この日程をよくよく参考にしていただき、数か月以内に退職する場合に日程を逆算して、プランを立てていただければと思います。

今回は、以下のプロセスごとに、話を進めてまいりたいと思います。

  1. 次の住む場所と大まかなスケジュールを決定
  2. UR賃貸住まいガイドを入手
  3. 仮申し込み
  4. 内覧する
  5. 書類提出する
  6. 契約する
  7. 火災保険に加入する
  8. 鍵を受け取る
  9. 入居する

今回の記事も、以下の方を対象としております。

  • 1年以内あるいは数か月以内に、FIREを達成する
  • 退職後は、Uターンなど、引っ越しを検討している
  • UR賃貸を検討している
  • 住宅を当面購入しない

FIRE達成は当面先というかたは、予備知識程度に知っておいていただければと思います。半年以内にFIREしたい、という方はそろそろ動き出す必要があります。

今回は、私がUR賃貸に入居しており実際の体験が多数入っておりますので、早期退職を検討する皆様には参考に使える部分が多いだろうと思います。それ以外にも、URご担当様と直接お話しした内容、インターネットに公開されている内容、UR賃貸住まいガイドという冊子に記載されている内容から記事を作成しております。

なお、北海道以外の方は、手順や手続きが異なる可能性があります。また、2023年時点の話であり、最新情報ではないこと、情報に誤りがあることもお含みおきいただければと思います。皆様の今後の最重要な住宅の話になりますので、疑問があれば、都度URのご担当様に確認いただければと思っております。

正確な情報はURのご担当様に確認されてください。

では、早速各ステップごとに説明していきます。

次の住む場所と大まかなスケジュールの決定

早期退職を計画できるような方であれば、大丈夫であろうとは思いますが、UR賃貸仮申し込みから入居まで少なくとも2か月前後あるいはそれ以上を見ておいた方が良いだろうと思います。具体的な日取りなどは、例えば多くのFIRE計画者には以下が参考になるのではないだろうかと思います。

  • 180日前 : FIREの具体的な日を心に決め、退職後のプランを練る
  • 90日前 : 上司に退職の許可をもらう
  • 90日前 : 引っ越し業者の見積を複数取得する
  • 30日前 : 仮申し込み
  • 25日前 : 内覧
  • 20日前 : 契約締結、引っ越し準備開始
  • 10日前 : 鍵の受取 (以降、日割りで家賃発生)
  • 0日前 : 引っ越し

下で詳細を記述しますが、このプロセスでは仮申し込みが最も重要です。この仮申し込みは先着順であり、先を越されてしまうと、その物件を先に進めることはできなくなります

また、下記で詳細を記述することになるのですが、仮申し込みから契約締結まではあまりフレキシブルに日程の変更はできません。特にUターンで地元に帰る場合、仮申し込み以降は、引っ越しまでデイリーですべて決まって、以降は日程を動かせなくなると考えてよろしいかと思います。

UR賃貸住まいガイドを入手

まずはこのA4の冊子を入手することから始まります。私の場合は、関東のある北海道のイベントで入手しました。どこで入手できるかは、引っ越し先のURのご担当様に確認されて下さい。

このガイドが必要となる理由ですが、ネットではUR賃貸物件の、空いている物件しか家賃や間取りなどを確認することができません。

もともと、空いている物件からしか仮申し込みはできないので、このガイドはあまり必要ないと思われるかもしれませんが、UR賃貸物件同士で価格比較などを行いたい場合は、このガイドがないと比較しにくくなります。ですので、入手しておいた方が無難です。

仮申し込み

以下のページから、地域を選択して、物件を探し、ご興味のある物件があった場合、仮申し込みを電話で行います。

この仮申し込みは、物件の内覧を行うためのものです。同時に、仮申し込み成立後は、公式サイトから空き情報としての公開が取り消され、他の方が申し込むことはできなくなります。従って、先に別な方の仮申し込みをURが受理している場合、そこに割り込むことはできません。また、仮申し込みをスキップして契約を行う、といったこともできません。

仮申し込みした後でも、契約しないということは可能ではあります。ただ、複数同時に申し込むことはできませんので、申し込んだ後にその物件を契約しないとなった場合は、数日から1,2週間程度、工程が後ろに倒れることになります。

ですので、気に入った物件があった場合、仮申し込みを遅らせると、他の方に取られてしまう可能性がある一方、そこまで気に入った物件でもないものに仮申し込みを行うと、その物件をキャンセルして、という手戻りが発生してしまいます。

以上のことから、UR賃貸の入居までの手続きでは、仮申し込みできるかどうかが最重要となります。

URでは仮申し込みは先着順で最重要、それ以外は何とかなる

仮申し込みには、一定の資格が必要です。詳細はこちらをご確認ください。FIREを目指し、退職後は当面定職につかないという場合は、家賃額の100倍以上の残高のある通帳があれば大丈夫です。

仮申し込みが成立すると、内覧、書類提出、契約の日程を調整します。

  • 内覧の調整 : UR北海道オフィスではなく、物件の管理事務所と調整するよう言われます。管理事務所とは内覧の具体的な日時を調整します。仮申し込みから1週間以内となります。
  • 書類提出 : 仮申し込みの1週間以内で、必要な書類を提出します。前に書類を提出し、URご担当様に契約書類を事前に作成していただくために行います。
  • 契約日の調整 : 1時間近く必要になりますので、日程調整を行います。仮申し込み翌日から10日以内です。
  • 鍵受け渡し : 契約日から10営業日後となります。これは変更することはできません。

私の場合、書類提出は郵送不可でUR賃貸北海道の事務所に持参しました。また、書類提出と契約日は、URご担当様の契約書面の準備時間が必要であり、同じ日にはできませんでした。

内覧する

内覧は、事前に時間調整しておりますので、鍵を管理事務所から受け取り、部屋に入室します。私の場合は立ち合いなどはなく、一人で内覧しました。

管理事務所は、物件のそばにあることが多いようです。

ここで問題なければ、以降の書類提出や契約も、そのままの日程で進めることとなります。

書類提出

内覧が終わり、契約の意思を固めたら、書類提出を行います。必要な書類は、

  • 住民票 (マイナンバーなし)
  • 家賃の100倍以上の残高の通帳

です。詳細はこちらでご確認ください。通帳は一週間以内でお金の動きが確認できるものである必要があります。ですので、提出前にその通帳の口座からお金をおろす、あるいは振り込むなどして、記帳しましょう。

念のためですが、本記事は早期退職後は当面無職でいる方を前提にしております。定職についているのであれば、その時点の収入を証明する書類を提出することも可能です。

私の場合ですが、書類提出時点では、正社員でしたので、当初は収入証明書を使おうとしたのですが、話の流れで退職してその後は当面無職を予定している、と伝えたところ、家賃100倍以上の通帳を指示されました。この辺りはルールがあいまいなところがあるかもしれませんが、基本に忠実に、ご担当の指示通りに進めましょう。

契約

契約時に必要な書類などはこちらをご参照ください。本人が契約する場合は、身分証明書と日割り家賃と敷金(1 or 2か月分)を現金で持参します。

私の場合は日割り家賃が10日程度分(家賃の1/3程度)と敷金1か月分でした。また、仮申し込み時には、家賃2か月分(=最大の日割り家賃1か月分 + 敷金として家賃1か月分)を準備しておけば大丈夫、と言われました。

また、契約中に、家賃自動引き落としの書類を渡されます。書類提出時に用いた口座である必要はございません。契約後は速やかに引き落とし設定をいれておきましょう。

火災保険に加入する

忘れやすい点として、ご自分で火災保険を選んで加入する必要がある点です。通常の賃貸では、火災保険への加入を入居の条件にしていることが多いとは思いますが、URではそのような条件はありません。加入する・しないは本人の自由となっており、加入されていない方は多いのではないかと思われます。

火災保険の必要性ですが、失火責任法という法律があり、自宅の火災で隣家に火が燃え移ったとしても、重大な過失がなければ隣家への賠償はしなくて良いことになっております。つまり、この法律では、隣の家のもらい火で自分の住居部分に燃え移った場合、重大な過失がなければ、損害賠償を請求できないことになります。一方、入居者は退去時に借主(UR賃貸)に対して原状復帰しなければならない、という決まりがあります。

例えば、一般社団法人日本損害保険協会の記載をご参照ください。

この法律により、失火によって他人の家が延焼した場合であっても、失火者に「重大な過失(注3)」がなければ、損害賠償責任を負わせないことになっています。これは逆の立場から見ると、隣家から出た火災によって自分の家が焼失してしまった場合でも、隣家へ損害賠償請求ができないということになります。
そのため、自分の家からの出火の場合だけでなく、隣家からの延焼火災に備える意味でも、各自が火災保険を契約しておくことが必要ということになります。

自分が火事を起こしたわけでもないのに、自室が損傷し、その復旧費用は自己負担で、かなり高額なものになることが想定されます。人生を根幹から揺るがすものになりかねないので、ここは素直に保険でカバーしておいた方がよいでしょう。

火災保険に加入する

私の場合は、契約時に、「過去、水漏れが原因で、高額な請求をされてしまった入居者がいたため、保険には加入してほしい」と言われております。水漏れの保証も火災保険に入っておりますので、こちらもつけておきましょう。

築年数が40年以上の物件には、ネットの火災保険は加入できないものが多いようでした。基本、ご自分の好きな保険会社を使えばよいと思うのですが、2023年時点では、kakaku.comの人気保険会社の1-5位は全てダメでした。

なお、私の場合は住まいる共済に申し込みました。特約として、借家人賠償責任特約と盗難保障特約もつけております。URご担当の指摘する水漏れにも対応できております。

鍵を受け取る

契約日から10営業日後に鍵を取りに行く必要があります。1日も前後させられない決まりになっているということです。

ご自身で行けない場合は、配偶者でもよいそうです。あるいは親族であれば、印鑑証明書と代理人の書類を作れば、鍵を受け取れるそうです。

私の場合は、妻が受け取りにまいりました。

入居する

特別に気を付ける点はございません。入居後に問題があれば、民間と同じように、1週間程度以内に、問題点を指摘しておきましょう。

サマリー

ここでは、早期退職者向けに、UR賃貸の借り方を記載しました。民間とは異なる重要なポイントとしては、以下の通りです。

  • メールやネットなどは利用できない。すべて電話と対面でのやり取り
  • 仮申し込みは先着順、複数同時に仮申し込みできない。仮申し込みで先を越された場合、そこから先に進むことができない
  • 仮申し込み後は、細かな日程の決まりが多い
  • 早期退職者は、家賃100倍以上の残高のある通帳が必要

 

今回も、最後までご覧いただきまして、ありがとうございます。

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