早期退職するにあたり、どこに住むかというのはかなり重要な問題になります。これはよく知られている通りです。賃貸契約をする際には、収入や勤務先などの審査がありますが、早期退職者はこれらの条件を満たしていないため、信用がないとみなされる可能性が高いためです。
会社員であれば、多くのケースで家賃さえ支払えば、賃貸にはほぼどこでも済むことができました。一方で、早期退職者は、逆にお金があっても信用がなくなるので、ダメなのです。
現役時代には全くこのようなことは考える必要はなかったため、皆様も少し想像しにくいところがあると思います。
ここでは、近々FIREを考えている、あるいはもうFIREしてしまっている方向けに、具体的にどのような選択肢があるのかを考えたいと思います。ですので、ある程度まとまった資産がある方が前提です。FIREは当面先という方も、重要なライフイベントとして考える必要があり、参考にはなるだろうと思います。
主な選択肢としては以下が挙げられるかと思います。
- 現在の持ち家に住み続ける
- 実家に帰り、親と同居する
- マンションなど購入する
- UR賃貸と契約する
- 民間の賃貸住宅に住む
- (北海道の方のみ)道営住宅・市営住宅に住む
上から順に、無難な想定で並べております。
なお、私の場合は、UR賃貸を利用しております。URは契約など少々独特であり、別途記事にしたいと思っております。
現在の持ち家に住み続ける
これができるのであれば、これがベストな選択肢になると思います。
実家に帰り、親と同居する
こちらも、許されるのであれば、経済的にはそれなりにベターな感じがします。
マンション・戸建てを購入する
会社を早期に辞められるくらいの経済力を持っているのであれば、マンション購入も十分ありだと思います。札幌市を例にしますが、2023年現在は相当に価格が上昇しております。まだ買い時ではないように感じます。下記は新築のグラフですが、この新築価格に引きずられる形で中古価格も上昇しているだろうと思います。
北海道新聞より抜粋
私はまだ買い時ではないように感じるのですが、早期退職者にとっては毎月の家賃の支払いは、負担感が大きいものです。大きな一時金を支払ってその負担感を払しょくしたいというのは十分に理解できることかと思います。
住宅を購入する方が良いのかどうか、私の考えは以下で記載しましたので、必要に応じてご覧ください。
UR賃貸と契約する
UR賃貸は早期退職者には良い選択になりそうです。築古な物件が多いので設備は通常の賃貸と比べると見劣りしてしまうだろうとは思います。ですが、価格も比較的抑え目であり、保証人なども不要です。審査の条件としても、以下が使えます(UR賃貸住宅 お申し込み資格から抜粋)。
申込者本人の貯蓄額が、基準貯蓄額(月額家賃の100倍)以上ある場合、1に定める収入要件を満たさない場合も、それに代えることができます。
民間の賃貸住宅に住む
一般に広く言われていることとして、家族の保証人などが必要だったりしますし、そうでなければ保証会社の利用が必要なこと、また退職者には審査が通りにくいことが知られております。
私の場合も、それなりに名のある大手不動産営業とお話をした程度ではありますが、彼らが言うには、会社に在籍しているうちに(=退職の前までに)賃貸契約を済ませてしまえば問題ないだろう、ということでした。不動産営業からすれば、契約してもらいたいわけであり、彼らを味方につければ有利になるので、まずは早めに彼らにコンタクトするのがよろしいかと思います。
(北海道の方のみ)道営住宅・市営住宅に住む
早期退職者には、少し条件が難しいようです。詳細は市営住宅の申し込み資格、道営住宅の申し込み資格をご覧ください。
札幌市営住宅の場合は、以下の要件が難しそうです。これでは、例えば関東圏の会社員がFIREして札幌に移住する、という場合は難しいように感じます。
申し込み時点において、申込者本人が札幌市内に居住し、住民登録があること、…
道営住宅の場合は、以下の条件が厳しそうです。
…現に住宅に困窮していること。
※事情により持ち家のある方が申込みする場合、当選されましたら持ち家は原則として処分していただきます。
早期退職後、どこに住むかという問題は退職前からよくよく考える必要があると思います。FIREと同時に住宅を購入するという方は、おそらくは半年前からは動かれているだろうと思います。そういう場合は特に問題はないだろうと思います。
問題となるケースは、賃貸の場合です。私の場合、退職を意識し出してからは、UR賃貸だけでなく民間の賃貸物件も幅広く探しておりました。自分の気に入るような物件は、一般的になかなか見つけることができませんし、さらに人気の物件は本当に数時間で先に取られてしまうことが2度ほどありました。このときはそれなりには落ち込みました。
私からのメッセージとしては、これらを解決する方法はとにかく早く動き出すこと、住宅選びは出来るだけ最優先にして時間を作ること、となります。
今回もご覧いただきまして、ありがとうございました。
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